【完】ある日、恋人を購入した。


…………


そして、その日の帰り道。

見慣れた道を歩きながら、一緒に帰っているアズサがあたしに言った。



「神崎くんは、まだトモのことが好きなのかね?」

「え、」



そう言うと、ふいに隣にいるあたしを見遣る。

さっきまで、今日あったことをあたしがなんとなくアズサに愚痴っていたら、ふとアズサがそう言ったのだ。

そしてそれを聞いたあたしは、考えていることが同じでも「まさか」と笑う。



「えー、でもフラれたのはあたしだよ」

「いや、だけどやっぱりお前じゃなきゃダメなんだ…的なさ」

「恋愛ドラマの見すぎじゃない?」



そう言って、「絶対ないよ」と言葉を付け加える。

ってか寧ろ、ないであってほしい。

でも、あたしの言葉にアズサが言う。



「んんー、でも客観的に見てるあたしからすれば、そうだったらオモシロイなぁって」

「オイ」

「いや、ごめんごめん」