【完】ある日、恋人を購入した。


「!」



そう言って、「貴重なとこ見たわ」と笑う。


神崎くんは、昔のいろいろ酷かった時のあたしを知ってるから、いちいちそう反応するんだ。

面白いんだろうな。まぁ、わからなくもないけど。ってかあたしは恥ずかしい。


そしてその神崎くんの言葉をスルー出来ないあたしは、ついムキになって言った。



「う、うるさいよ。相手部長だし仕方ないでしょ」

「んーまぁね。でも、」

「ってか、何で神崎くんはこの会社に転職してきたわけ?」



そう言うと、あたしはそれを一番知りたくて思わず神崎くんを見つめる。

だって、気になってたし。


わざと?偶然?忘れちゃってた?

…いや、そんなわけない。

きっと彼は…


あたしが答えを待っていると、そのうちにやっと神崎くんが口を開いて言った。



「…いきなりその質問か」

「いきなりじゃないし。ってか、いきなりって言いたいのは寧ろあたしの方だし」