【完】ある日、恋人を購入した。


あたしはそう思いながら神崎くんから目を逸らすと、言った。



「…とりあえず、いらない資料は捨てて。いる資料はまとめてそこの棚に整理しよ。

あたし資料見るから、神崎くんは要る資料を棚に片付けて」


「…あい」


「…あー…でもその前に、棚も結構ホコリがたまってるなぁ」



あたしはふと棚を見てそう言うと、人差し指でその棚に触れてみる。

…うわ、ちょっと触っただけで人差し指の先にたっぷりホコリがつく。超汚い。


あたしがそう思って、「その前に掃除しようかと」言いかけたら、神崎くんがその前にあたしに言った。



「っつかマジすげーこの資料室。どうやったらここまで散らかるわけ?

……まるでトモの部屋みてぇ」


「!?なっ…」



神崎くんはふいにあたしを見てそう言うと、横目で意地悪く笑う。

…ついさっきまで後輩らしくしていたと思ったら、いきなし“元カレ”で来るとか。


っていうか…!



「あ、あたしの部屋はここまで汚くないし!」