【完】ある日、恋人を購入した。


有唯くんは動揺するあたしを気にも留めずにそう言うと、何でもない顔をしてあたしの顔を覗き込む。

…でも、あたしはその言葉になかなか声が出せない。ビックリしすぎたのが原因で。

すると代わりに、その有唯くんの言葉を聞いた後輩の女のコが、有唯くんに問いかけた。



「え!?もっ…二人付き合ってたんですか!?」

「はい。でも今は良い友達っすよ」

「……トモ先輩固まっちゃってますケド」

「まぁここに来ることは言ってませんでしたから。すげービックリしてんすよきっと」



有唯くんはそう言うと、あたしの気も知らないで皆と一緒に呑気に笑う。

でも、一方のあたしはいきなりの有唯くんの登場に、頭の中は疑問だらけ。


……なんで?

何で今更あたしの目の前に顔を出すの?

たまたま転職した先に、あたしがいただけ?

……なワケないよね。

だって有唯くんと付き合ってた時から、あたしはずっとこの会社にいて…


きっと、忘れてるワケがない。


そして、いつまでも独りぐるぐると考えるあたしに、有唯くんが言った。



「これからよろしくお願いします。

友香先輩、」


「!…っ、」



有唯くんはそう言うと、わざとらしくニッコリ笑う。


ってか、

こんなのってないよー!!