休み明け。
あたしは不安になって、休憩中の会社の屋上で、みきほさんに尚叶くんのことを相談した。
尚叶くんの気持ちがわからない、と。
昨夜のデートでの不満を全て話した。
キスが自分から出来ないのは、まだ許せる。
尚叶くんのマンションに泊まって、二人きりの夜を過ごしても何もないことだって、今はまだそれくらい平気。
でも、もう恋人同士なんだから、「もっと一緒にいたい」とか思わないのかな?
あたしは有唯くんと付き合ってた時、結構夜中まで遊んでたよ。
だって、離れたくなかったし。
好きならそんなモンじゃない?
だけど、あたしの相談を聞くと、みきほさんが言う。
「えー、いいじゃない。目的が済んだらちゃんと家まで送り届けようとするって。
尚叶くん誠実ね。大事にされてる証拠なんじゃない?(まぁ確かに物足りないけど)」
「…そうですか?あたしはそうは思えませんけど」
あたしはみきほさんの言葉にそう言うと、軽くため息を吐く。
「まぁでもほら、尚叶くんって恋愛初心者なんだし、そういうのは目を瞑ってあげたら?
付き合っていくうちに、変わっていくかもよ」