「!」
その口パクを見た瞬間に、尚叶くんによって店のドアが閉められた。
「…あー…」
「…どした?」
「んーん、何でもない」
「?」
…シュウさんは、何をあたしに“ガンバッテ”ほしいのかなんて、もちろんわかってる。
でもさ、キスはなるべく男からしてほしいよね?
あたしは尚叶くんに期待したいもん。
…無理そうだけど。
「…何の映画見るの?」
店を出ると、あたしは尚叶くんにそう聞いた。
今日は珍しく車じゃなくて、歩いて映画館まで向かう。
ここから歩いて5分だし、近いし、たまにはこういうのも好きだから。
でも、何を見るのか決めていないらしい尚叶くんは、逆にあたしに問い掛ける。
「友香は何がいい?」

