「えっ」



シャ、シャンプーの香り!?

そのアズサの言葉にあたしが少し驚いていると、アズサが鏡から一旦顔を離し、あたしを見て言う。



「だっていつもはさー、トモってフルーツ系の…桃の香りって言ったっけ?

そういうの使ってるじゃん。でも今朝は、その香りじゃなかった!完全に!」


「!」



そう言うと、「彼氏ん家に泊まったんだろ?」ってあたしをからかうように笑う。

…た、確かに昨夜は購入手続きをしてからあのまま尚叶くんのマンションに泊まったけど…。

まさかシャンプーの匂いをチェックされていたとは。



「…ま、まぁね」



そしてあたしがその言葉に頷くと、マスカラを塗り終えたアズサが言う。



「やっぱりー!ってかあのシャンプーの香りは男物と見た!だってあたしの彼氏のと同じ匂い!」

「!」


「あたしあの香り好きなんだよねー。って、それは置いといて。


どうだったの?彼との夜は」