******


その夜。

あたしは早速あれから、尚叶くんと一緒にS.Shopに来ていた。

その理由はもちろん、尚叶くんを購入するため。


さっき、尚叶くんを買うと決めたあと、「じゃあ店行く?」ってことになって、

閉店後に強引に押しかけたのだ。


そして、カウンターの席に座るあたし達に、シュウさんが満足そうに言う。



「いやー、ありがとね友香ちゃん。一時は開店後初の失敗になるんじゃねーかって焦ったけど」

「いえ、待たせちゃってすみません、」

「んーん、平気だよ。それに、尚叶も良かったな~」



シュウさんはそう言うと、契約書?のようなものを取り出しながら、尚叶くんに向かってからかいの笑みを浮かべる。

そんなシュウさんに尚叶くんは顔を背けて、言った。



「…それより、早く手続き」

「わーかってるよ~。あ、友香ちゃん、最初に言ったけど、この購入手続きをしたらもう返品出来ないし、尚叶との結婚も決まるけど、オッケー?」



そう言って、シュウさんはあたしに最終確認をする。

でもその問いかけに、あたしは迷うことなく頷いた。



「はい、大丈夫です」