「‥‥はぁ‥‥‥はぁ‥‥はぁ‥‥
‥‥‥つ‥‥着いた‥‥‥‥‥。」
私は、ゼェゼェと息を吐き出しながら、
丘の上から自分の町を眺めた。
町からは、
人々の嘆き声しか聞こえない。
基本的にこの町は、穏やかな町なのだ。
そよ風が木々を揺らし、
葉音がサワサワと聞こえてくる。
そんな木の枝には鳥たちがとまっていて、
ピチチチチ、と、
会話をしているのが聞こえる。
しかし今はどうだろう。
変わり果ててしまったと思う。
葉音が聞こえないほどの、人間たちの声。
鳥たちは、危険を感じているのか、
大きな群れで空に飛び立っている。