麗しき星の花

「それ、もうひとつ凄い機能があるんだ」

「え、なに?」

「どっちかが迷子になっても、絶対に見つけられる!」

 えへん、と偉そうに言う父に、子どもたちはきょとん、とする。

「迷子になったヤツのことを思い浮かべて、強く願うんだ。そうすると白い光が一直線に指輪の片割れまで伸びるからな。迷うことなく辿り着けるぞ」

 熱心に説明する父を、子どもたちは呆れたような目で見た。

「……大丈夫。父様みたいに、迷子にならないから……」

「うん、大丈夫」

「違う! これで探し出したのは母さんの方だからな!」

「えー、嘘だー」

「本当だって! なあリディル!」

「……そ、そうだね」

「ええー!」

「……母様は、馬鹿じゃないのに……」

「オイ、父さんは馬鹿だって言うのか、リィ」

「……」

「無言で頷かれたー!」

 ショックを受けるフェイレイに、周りからは笑いが漏れる。

 賑やかな親子の会話も、これでしばらくはお預けとなる。そう思うと、このままずっとこうしていたかった。

 だが……そうも言っていられない。

 名残惜しいが、お別れだ。


「元気でね」

 リディルがシンとリィをそれぞれ抱きしめる。

「楽しんでこい」

 フェイレイは笑顔で子どもたちの頭を撫でる。

「異世界の様子、私にも教えて欲しい。手紙、頼むよ」

 紫暗の瞳を細めて、手を振るルドルフ。

「良いですか。強い人を見かけたら片っ端からぶっ飛ばしなさい。それも修行の一貫ですからね」

 間違った修行方法を教えるローズマリー。実践しないことを祈る。

「身体に気をつけて。何かあったらすぐに相談するんですよ」

 ヴァンガードも寂しそうに微笑む。