麗しき星の花

「しかし私は、ヴァンにシンやリィの保護者代理として、共に異世界へ行ってもらえれば、と……」

「出来かねます。私は両陛下より、殿下の警護を任されておりますので。……これは私の意思でもあります」

「だが……」

「どうか気に病まないでください。……ねぇ、シン、リィ?」

 ヴァンガードの声に、シンとリィは頷いた。そして椅子から立ち上がると、長いテーブルを回るのももどかしく、2人同時にテーブルを飛び越えた。周りから僅かに悲鳴が上がる。

 見事にルドルフの両脇に着地したシンとリィは、そのまま両脇から彼を抱きしめた。

「ルー、お前、ずっとそんなことを思ってたんだな」

「……私たちを、護ろうとしてくれていたんだね。ありがとう」

「色んなこと抱えて、皇太子ってのは大変なんだな。ずっと遊び友達みたいにしか思ってなくてごめん」

「……ごめんね」

「でもだからこそ、俺たちは異世界に行くわけにはいかない。みんなが危険な目に遭ってるときに、自分たちだけなんて」

 シンとリィに挟まれたルドルフは、紫暗の瞳を揺らしながら微笑を浮かべた。

「いや、行ってくれ。これは私だけでなく、君たちのご両親やヴァン、両陛下、そしてこの星の民意だ」

「……じゃあ、ルーも一緒に、異世界、行けばいい」

 リィの言葉にも、ルドルフは首を振った。

「行けない。私は皇太子として、この星の行く末を見守らなければならない。……大丈夫、私は死んだりしない。父上と共に、生きて、この星を導く。……平和になったら、改めてこの星を案内しよう。水と緑に溢れた自然豊かなこの星の姿、そしてそこに生きる人々を」