ずっと一緒だった双子の道も、ここで分かれる。

 シンとリィは、チラリと互いの顔を見た。



「ずっと一緒だったんだから、道が違っても俺たちは一緒だ」

「うん」

「もしかして死ぬのも一緒かもな」

「それは嫌。シンは私より長生きして」

「はあ? それじゃ俺も嫌だ。リィの方が長生きしろ」

「嫌だ。そんなの寂しい」

「俺も寂しい。だから長生きしろ」

 そんな風に言い合う双子に、霸龍闘と野菊は苦笑するのだ。

「もおー、それは私に言う台詞なんじゃないのー?」

 野菊が頬を膨らませる。

「そうそう、俺に言ってくれよ」

 霸龍闘も言う。

 しかし双子は同時に首を振った。

「駄目。野菊(霸龍闘)には先に逝かれるのも置いていくのも嫌だから、俺(私)と一緒に生きて、死んでもらうから(の)」

 同時に、真面目な顔で言い切った双子は、互いの台詞に「え」と振り返った。その様子に霸龍闘も野菊も大爆笑。

 双子はやっぱり双子なのである。

「分かった、一緒に生きよう」

 霸龍闘がリィの手を握る。

「うん、ずっと一緒だよぉ。神様に誓って」

 野菊もシンに寄りかかる。

 


 高く、強く鐘が鳴る。
 
 それは新たな道へ踏み出していく者たちへの、祝福の鐘の音……。






─おわり─