麗しき星の花

 空から叩き付けられた雷によって地面に大穴が開いた。

 その大音響に鼓膜をやられながら、シンは爆風に飛ばされて地面を転がった。転がる途中で起き上がり、妹の元へ駆けつける。

「リィ! 大丈夫か!」

 リィは地面に倒れていた。目を閉じて、腕を投げ出して、もう動かないのではないかと思うくらい、静かに横たわっていた。

「リィ! リィ!」

 ぺちぺちと頬を叩いて名を呼ぶ。

 僅かに眉根が寄った。

「……もう、だめ、たおれ、そう」

「もう倒れてんだよ!」

 返事があったことに安堵する。安心したら自分の力も抜けて、サラマンダーを解放してしまった。

「お前天才! よく頑張ったな!」

 妹の頭をぐりぐり撫で回してねぎらい、シンは落雷した方を見やる。

 クレーターのように巨大な穴が空いた庭からは、もうもうと水蒸気が立ち上っていた。これでダメージを負わせられなかったら、もう双子には打つ手がないと言ってもいい。

 どうかこれで終わってくれと、祈るような気持ちで立ち上がる白い煙を見つめていた二人は──ぞくりと、背筋を粟立てた。

 寒風に押し流される水蒸気の中から、ピンクブロンドの鬼が姿を見せた。

「嘘だろ……」

 精霊の女王は、人間では抗うことのできない自然の力そのものだ。それをまともに受けて立っていられるのか。

「くそっ」

 シンが立ち上がってアストレイアを構えたときにはもう、ローズマリーは目の前にいた。顔半分が焼け爛れてもなお、シンを見下ろす紅い瞳は幽玄のものに見えた。