麗しき星の花

「いい攻撃だ!」

 そう褒めてくれるローズマリーはまだ余裕だ。まだ速くなる。

 全身の神経がおかしくなりそうだった。

 それでもまだ、限界じゃない。

 魔銃を持った両手に風とは別に水を召喚。銃口に現れた小さな魔法陣から、糸状に伸ばした水を射出、攻撃を捌きながらローズマリーの両手、両足に絡ませる。

「ふっ!」

 そして力強く回転し、ローズマリーを引き倒す。普通なら力負けして逆にリィが倒されただろう。だが彼女はそれも考慮して、水と同時に氷も召喚していた。水の糸を撃ち出すのと同時にローズマリーの足元を凍らせていたのだ。磨かれた氷の上では踏ん張りが効かず、見事に師匠を引き倒すことに成功した。

 だがすぐに水の糸は引きちぎられた。通常のロープとは違う、弾力に富んだ強靭な糸であるはずなのに、師匠はそれを鋭い覇気だけで吹き飛ばしてしまう。

 立ち上がり、氷を砕き、動き出すローズマリー。

 だが大地を踏みしめるその足元が、抜群のタイミングで液状化した。

 リィは更に土の精霊を召喚していた。水と合わせて泥沼を作り、ローズマリーの足元を掬ったのだ。ここまで同時に、しかも別々の動きで精霊を操れるのもリィの修行の賜物である。

 体勢を崩されたローズマリーを、氷の精霊フラウの力を込めた『氷弾』で狙う。今まで風弾でずっと撃ち続けていた右肩に向けて、鋭い氷の弾を撃ち放つ。

 氷弾は命中した。

 ローズマリーの肩に突き刺さり、更にそこで破裂して彼女の右上半身を氷で覆い尽くした。それはまるで華のように美しくローズマリーを彩る。