麗しき星の花

 精霊憑依術。

 その身に精霊を纏い、身体能力を跳ね上げる技だ。光の精霊ウィスプは防御力とスピードに特化している。その状態で斬り込んで行くシンを後ろからリィが射撃で援護。瞬きする間にローズマリーに肉薄した。

 アストレイアに練り込んだ魔力を纏わせ、飛び上がって宙で縦回転しながら斬り込む。

 上からの攻撃を、ローズマリーは片腕を掲げて受け止めた。篭手も何もつけていない、むき出しの生身の腕でだ。身体硬化術。どんな攻撃をも跳ね返す、鋼の肉体を作り上げることが出来る。

「まだまだ剣気が足りねぇな」

 空気が音を立てる間もなく、剣を受け止めている腕とは反対から拳が飛んでくるのが分かった。咄嗟に身を翻し、拳を回避。地面に着地した瞬間に脚が飛んできたので、それを冷静に見極め、剣で受け流す。

「へえ」

 これにはローズマリーは素直に感嘆の声を漏らした。拳と脚を連続で叩き込んでも、シンは軽く剣を振るだけで全て受け流している。以前はこんな風に流せなかった。

「いい師匠に出会えたようだな」

 剣の師匠と仰ぐ聖からは、毎日毎日同じことの繰り返しをさせられた。それがシン自身も気づかないうちに剣技を上達させていたのだ。

 更に、受け流した直後に剣先が伸びてきてローズマリーを狙う。それを手刀で払い落とした彼女は違和感に襲われる。

 何が、と考える前に、リィの風弾が飛んできた。しかし魔銃の攻撃は鉄壁の身体硬化術で完璧に防いだ。通常弾でも魔法弾でも、肌を掠めることはない。