麗しき星の花

「……覇龍闘が私よりも弱い人なら、私が、守ってあげようと思ったの」

 覇龍闘は意味が分からないとでも言いたげに眉根を寄せた。そんな彼に説明をする。

 シンとリィの、故郷での正確な立場。

 その立場を2人とも望んでいないこと。けれども周りは許してくれないこと。それに抗うつもりであること。

 リィを取り巻く状況がどうなろうと、リィの気持ちは揺るがない。覇龍闘への想いだけは、何物にも代えがたい唯一のものであった。

 けれども、自分たちの事情に覇龍闘を巻き込むことは憚られた。権力とか政争とか、そういうものが絡んでくる醜い争いに巻き込みたくなかった。だからもし覇龍闘が負けたなら、彼には一切何も語らず、シンと2人で戦おうと思っていた。何でもない顔をして、全てを終わらせればいいと。もし彼に害が及ぶようなことになっても、身体を張って守ろうと。

 けれども勝ったのは覇龍闘だ。

 それはほんの少し悔しくて、でも、嬉しかった。

 彼に少しだけ、頼りたくなった。

「私たちと一緒に、抗って、くれる?」

 こんな面倒事を、彼がどう受け止めるのか。その反応が怖かった、けれど。

「ったりめーだろ!」

 覇龍闘は話を聞き終えてすぐ、怒鳴る勢いでそう言った。

「なんだよ皇太子って! そんなのにリィは渡さねぇから安心しろ! そいつぶっちめればいいのかっ!」

「う、ううん、ルーはお友達だから、ぶっちめちゃだめ……」

「なら誰だ、偉い人か? どんな偉いヤツでも関係ねぇ。リィが嫌がる事を強要するヤツは今すぐ俺がぶっ飛ばす!」

 覇龍闘の勢いに気圧されるリィはしばらく目を丸くしていたが、次第に嬉しさが込み上げてきた。笑い声が漏れる。