麗しき星の花

 白い息を吐き出す互いの顔が至近距離にあった。

 覇龍闘のマテバはリィの眉間に押し付けられている。しかし雪の上に転がされたリィは右肩から肘までを足で押さえつけられていて、例えクローリスのトリガーを引いても、銃弾は覇龍闘の脇腹を掠めるかどうかだ。どちらが致命傷を与えられるかは一目瞭然だった。

 終わった。

 全身から力を抜き、クローリスを持った右手を雪の上に投げる。

「リィ、足」

 泣きそうな顔でリィを見下ろす覇龍闘。

「平気……すぐ、治せるから」

 耳元で精霊たちが騒いでいる。もう終わったのならいいだろう、と。

 リィは浅い呼吸を繰り返しながら、風と森の精霊たちに魔力を渡す。すると、その魔力量以上の速さで傷が癒されていくのが分かった。

 心配をかけてしまったようだ。精霊たちにも、目の前の少年にも。

「心配かけて、ごめんね」

 自分よりもよほど痛そうな顔をしている覇龍闘の頬に手を伸ばす。先程の蹴りで唇が切れていた。そこにそっと触れると、彼の傷も碧い光に包まれて消えてゆく。

「俺より、リィを」

 覇龍闘もリィの頬にそっと手を添える。白い肌に薄く走る赤い線。痕が残ったら大変だと、見えないけれどきっすぐ近くにいる精霊たちにお願いする。彼の願いを聞き届けるように、リィの頬にも温かな碧色の光が灯った。

 その温かさを感じながら、覇龍闘は疑問を口にする。

「なあ。なんで決闘なんかしようと思ったんだ?」

 雪の上から引き起こされたリィは、髪についた雪を払うために、ふるふると頭を振った。太腿の傷は塞いだが、すぐにダメージが回復するわけではない。少しぼんやりするな、と思いながら顔を上げる。