麗しき星の花

 その隙に抜かれた覇龍闘のマテバが火を噴く。すぐに立ち上がったリィは、素早くクローリスを抜いた。ギリギリ銃弾を弾き飛ばせるだけの時間はあった。覇龍闘も弾かれることを見越して最後の一発に全てを込めようとしていた。だが彼女はその銃弾を甘んじて受け入れたのだ。

 銃弾が太腿に刺さる。

 真っ赤な鮮血と、千切れたサイホルスターが白い雪とともに弾ける。

 それを見た覇龍闘は一瞬だけ動揺する。それこそがリィの狙いだった。

 マテバに込められた銃弾は357マグナム弾だ。下手すれば貫通する威力を持つ。外側を掠めた程度だろうが、肉が抉れただろう。それでもリィは走った。焼けるような痛みを歯を食いしばって堪え、闊歩で一気にその懐に潜り込む。

 リィが向かってきた。血を流しながら、痛みを堪えながら。今更ながら彼女の本気さに感じ入った覇龍闘は、覚悟を決めて迎え討つ。

 だが彼女の姿を一瞬見失う。リィが目の前で素早く身を屈めたからだ。

 上体を斜め下に沈み込ませたリィは、その勢いを利用して転がるようにしながら胴回し回転蹴りを放った。

 ダメージをすぐに回復させてしまう覇龍闘に決定打を浴びせるには、隙を作って大技を叩き込むしかなかった。その為の捨て身の行動。そしてそれは成功した。顔面に綺麗に踵が入り、覇龍闘は後ろによろけた。更に足払いをかけて雪の上に倒す。

 そこに覆いかぶさり、銃口を彼の眉間に押し付ければ終わりだ。

 そう、思ったのだが。

 予想に反して、倒れた覇龍闘の足がリィの腰を挟み込んだ。そしてそのまま雪の上に転がされる。

 やられる。そう思いながらも、夢中でクローリスを持ち上げる。