麗しき星の花

「は、ははっ、なるほど、こりゃあシンが投げられるわけだ……」

 そう感心して、息を整える。呼吸し続ける。そうすることで痛みを克服する。

「大したもんだな……」

 そう言って笑みを浮かべる頃には、強がりでも何でもなく、痛みを打ち消していた。

「バースト・ブリージング……」

 リィはクローリスを構える。覇龍闘が使うシステマについては、彼女なりに調べていた。

 呼吸し続ける、リラックスを保つ、姿勢を真っ直ぐに保つ、移動し続ける、というのがシステマの基本原則で、中でも呼吸の仕方が一番大事だ。

 鼻から息を吸い、口から吐き出す。たったそれだけのことなのだが、これを小刻みに繰り返すことで、消耗した体力や受けた痛みを回復させてしまうのだ。

 もちろん元から治すものではないので一時的なものだが、戦闘中に保てばそれでいい。痛みを克服することで精神状態も落ち着け、常に冷静を保っていられる。

 つまり今の覇龍闘は、無敵とも言えるのだ。



 残弾は互いにあと2発。

 クローリスを構えながらどう攻めるべきか迷っていると、覇龍闘がマテバをホルスターにしまい、チョイチョイと手招きした。ガンマンでありながら格闘戦をやろうというのだ。リィに投げられたのが悔しかったらしい。

 負けず嫌いな彼らしい。

 リィは微笑んでその提案を受け入れることにする。クローリスをサイホルスターに収め、散歩にでも行くのかという軽い足取りで覇龍闘に近づいていく。

 そうして、手が届くほどの至近距離まで来たとき。