麗しき星の花

 もしかして冗談だろうか。からかわれているのだろうか。そうは思うものの、彼女は天然ボケはかましても、決して冗談を言うような性格ではないと分かっていた。

 本気なんだ。

 決意の揺るがなそうな翡翠色の瞳を見つめ返し、覇龍闘は今収めたばかりのマテバを抜き、銃口をリィへ向けた。決闘を受諾した証だった。

「……ありがとう」

 リィは微笑む。

「俺が勝ったら、ちゃんと理由を教えてくれよ」

「うん。……勝てたらね」

 強気なその言葉に、覇龍闘もニヤリと口角を上げた。





 場所は屋上に移る。昼休みはもう終わりそうな時間であったが、2人は構わずに雪の降りしきる白い景色の中、向かい合う。

 向かい合った瞬間から戦いは始まっていた。今にも銃を抜きそうに、ピクリ、ピクリと動く右手。ゆっくりと動く視線。呼吸の深さ。

 どちらが先に動くのか。互いの一挙一動を見逃さんとする2人は長い間見つめ合いながら駆け引きを行う。一瞬の動きで勝敗が決する。下手に動くわけにはいかない。

 氷点下の張り詰めた空気の中、2人の頬を汗が滴り落ちていく。

 と。

 2人は同時に動いた。

 リィはクローリスをサイホルスターから抜き放ち、覇龍闘は腰のホルスターからマテバ6ウニカを抜く。

 目にも止まらぬクイック・ドロウ。

 同時に銃身から飛び出た鉛は、2人の中央でぶつかり合い、融解しながら弾け飛んだ。

 見事だ。

 互いに互いを褒め称えながら、横っ飛びしながら第二射。これは互いに外し、雪の上を転がった。起き上がりざまに覇龍闘が撃つ。これをリィはくるりと回転しながら回避し、射線を体で隠しながらトリガーを引いた。