麗しき星の花

「リィ?」

「……受け取ってくれたね」

「え、う、うん」

「じゃあ、決闘、受けてくれるんだよね……?」

 決闘。

 それを聞いた覇龍闘、目が点になる。

「はあああああ!? 決闘!? なんで!」

「……やり方、違った? 調べた本には、白い手袋を相手の足元に投げつけるか、頬を叩くかして、相手が手袋を受け取ったら決闘を受けたことになるって、書いてあったけど……」

「いや、それヨーロッパの風習だし」

「日本式が良かった……? それなら、こう、かな」

 リィはサイホルスターからクローリスを抜いた。銃口は覇龍闘へ向けられる。

「これで相手が同じように獲物を抜き放てば、決闘を受けたことになるんだよね……?」

「いやいや、ちょっと待って、なんで俺と決闘がしたいわけ? 俺、なんかしたっけ……?」

 リィを怒らせるようなことをしただろうかと、覇龍闘は考える。けれども何も思い至らない。2人の関係は平和そのものだ。喧嘩らしい喧嘩もしたことがない。なのに、まさかいきなり命をかけた戦いを挑まれるとは。

「覇龍闘はなにもしてない。これは、私の問題」

 リィは真っ直ぐに覇龍闘を見つめる。

「私は魔力を使わない。精霊たちにも手出しはさせない。弾丸は今マテバに込めた6発だけで勝負する。クローリスにも同じ数の弾丸を込めた。……安心して。細工なんて、してないから」

 言いながら、リィは左のホルスターからヴィオラを抜き、レジャーシートの上に置いた。これは使わない、という意思表示だ。

「……完全に、俺と同じ条件で戦うっていうのか」

 覇龍闘の問いに、リィはこくりと頷いた。