妖しい笑みを浮かべる風の女王に、フェイレイも不敵な笑みを浮かべた。
「やっぱり女王か」
《久しいな、勇者よ。今、私はこの子らの味方だ。覚悟しろよ》
「ああ」
そう、風の女王とフェイレイが会話している間、シンとリィは目眩を起こしたかのように震えていた。
喚び出しただけだというのに、身体中から力が吸い取られていくようだった。召喚陣で正式に呼び出してこれだ。略式でやらなくて良かったと、シンはリィに感謝した。
「グィーネの女王! 俺たちに力を!」
《承知した。お前たちの魔力、貰い受けるぞ》
更に魔力が女王に吸い上げられると、2人を中心に風が渦巻きだした。それは徐々に庭全体へと広がっていき、やがて台風をも凌ぐ暴風の渦となった。
立っているのは不可能なほどの暴風なのに、その風自体は召喚者であるシンとリィを傷つけたりしない。
傷つける対象は──フェイレイだ。
フェイレイを囲む暴風の渦は、四方からかまいたちのような鋭い風を放ってきた。
避けても避けても際限なく襲いかかってくる風の刃。けれどもそれが本流でないことは解っていた。徐々に呼吸が苦しくなってくる。渦巻く風が、中心の空気を奪っているのだ。
そうして、空間が全方向から圧縮されていく。大気圧に身体が押し潰されていくのが分かる。圧力で血の流れが止められ、みしり、と骨が軋むのをフェイレイは聞いた。
これから逃れるには、周りを取り巻く渦を脱出するしかない。だが、あの渦に飛び込んだ瞬間に、木っ端微塵にされてしまうと肌で感じた。
逃げ道のないフェイレイに、風の刃は容赦なく襲いかかってくる。
血飛沫が舞って、赤い雫が風の渦に吸い込まれていった。
「やっぱり女王か」
《久しいな、勇者よ。今、私はこの子らの味方だ。覚悟しろよ》
「ああ」
そう、風の女王とフェイレイが会話している間、シンとリィは目眩を起こしたかのように震えていた。
喚び出しただけだというのに、身体中から力が吸い取られていくようだった。召喚陣で正式に呼び出してこれだ。略式でやらなくて良かったと、シンはリィに感謝した。
「グィーネの女王! 俺たちに力を!」
《承知した。お前たちの魔力、貰い受けるぞ》
更に魔力が女王に吸い上げられると、2人を中心に風が渦巻きだした。それは徐々に庭全体へと広がっていき、やがて台風をも凌ぐ暴風の渦となった。
立っているのは不可能なほどの暴風なのに、その風自体は召喚者であるシンとリィを傷つけたりしない。
傷つける対象は──フェイレイだ。
フェイレイを囲む暴風の渦は、四方からかまいたちのような鋭い風を放ってきた。
避けても避けても際限なく襲いかかってくる風の刃。けれどもそれが本流でないことは解っていた。徐々に呼吸が苦しくなってくる。渦巻く風が、中心の空気を奪っているのだ。
そうして、空間が全方向から圧縮されていく。大気圧に身体が押し潰されていくのが分かる。圧力で血の流れが止められ、みしり、と骨が軋むのをフェイレイは聞いた。
これから逃れるには、周りを取り巻く渦を脱出するしかない。だが、あの渦に飛び込んだ瞬間に、木っ端微塵にされてしまうと肌で感じた。
逃げ道のないフェイレイに、風の刃は容赦なく襲いかかってくる。
血飛沫が舞って、赤い雫が風の渦に吸い込まれていった。


