いつも手入れしていた屋上は、今日は雪で真っ白。秋の間は屋上に続く階段でやっていたりもしたが、真冬の廊下は非常に寒い。手が悴んで手入れどころではなくなってしまうのだ。
その点、ここは暖房が入っているので暖かい。そして人がいなくて好都合だった。爆発とか起きたらごめんなさい、と心の片隅に思いながら、リィは今日も霸龍闘の愛銃『マテバ6ウニカ』の手入れをする。
「リィ、いつもありがとな」
「ん」
霸龍闘からマテバを受け取り、こっくり頷くリィ。
それから彼女は手際よく分解し、丁寧に丁寧に清掃していく。その顔は真剣そのものだ。
始めの頃は会話が途切れるとリィを退屈させてしまう、と気を遣っていた霸龍闘だが、最近はこの無言の時も悪くないと思えるようになった。真剣な目で、けれども楽しそうに銃の手入れをするリィを見守る覇龍闘の目は、本人も気づかないうちに優しく細められている。
「できた」
組み立て直し、マグナム弾を込めて覇龍闘に渡すと、彼は一通り感触を確認した後、腰のホルスターに収めた。
「うん、いい感じだ。リィは本当に腕がいいよな」
「ありがとう……」
リィは小さく微笑んで、そして、ジッと覇龍闘を見つめた。
「ん?」
何か言いたいことがあるのか、と首を傾げていると、リィは徐ろにスカートのポケットから白い手袋を取り出した。
片方だけの、毛糸で編まれた白い手袋。
それを覇龍闘の膝の上にぽい、と投げた。
覇龍闘はリィの謎の行動に首を捻りつつ、手袋を拾い上げた。もしや誕生日が近い自分へのプレゼントだろうか。しかし柔らかな毛糸の手袋は小さくて、覇龍闘の手には合わなそうだった。おまけに、投げ捨てるように渡すなんて、リィらしくない。
その点、ここは暖房が入っているので暖かい。そして人がいなくて好都合だった。爆発とか起きたらごめんなさい、と心の片隅に思いながら、リィは今日も霸龍闘の愛銃『マテバ6ウニカ』の手入れをする。
「リィ、いつもありがとな」
「ん」
霸龍闘からマテバを受け取り、こっくり頷くリィ。
それから彼女は手際よく分解し、丁寧に丁寧に清掃していく。その顔は真剣そのものだ。
始めの頃は会話が途切れるとリィを退屈させてしまう、と気を遣っていた霸龍闘だが、最近はこの無言の時も悪くないと思えるようになった。真剣な目で、けれども楽しそうに銃の手入れをするリィを見守る覇龍闘の目は、本人も気づかないうちに優しく細められている。
「できた」
組み立て直し、マグナム弾を込めて覇龍闘に渡すと、彼は一通り感触を確認した後、腰のホルスターに収めた。
「うん、いい感じだ。リィは本当に腕がいいよな」
「ありがとう……」
リィは小さく微笑んで、そして、ジッと覇龍闘を見つめた。
「ん?」
何か言いたいことがあるのか、と首を傾げていると、リィは徐ろにスカートのポケットから白い手袋を取り出した。
片方だけの、毛糸で編まれた白い手袋。
それを覇龍闘の膝の上にぽい、と投げた。
覇龍闘はリィの謎の行動に首を捻りつつ、手袋を拾い上げた。もしや誕生日が近い自分へのプレゼントだろうか。しかし柔らかな毛糸の手袋は小さくて、覇龍闘の手には合わなそうだった。おまけに、投げ捨てるように渡すなんて、リィらしくない。