麗しき星の花

「あ……うん、確かに、なんでこいつずっとくっついてんだとは思ったけど……」

「皇女が他人と接するときの距離とは、明らかに違ったはず……」

「う、うん。それは、気づいてた」

「それは、シンだから。シンが、好きだから。気づいて欲しかったの……なのに、シンは」

「う……」

 今日一日、シャルロッテに接する自分の態度を思い出し、彼女に対して酷いことをしていたのだと、やっと気づいたシン。

 シャルロッテと、それを追いかけていった野菊を追いかけようと足を踏み出すと、リィに手を掴まれた。

「今は、野菊ちゃんに任せて」

「え、いや、でも」

「2人でお話すると、いいと思うの」

 きっと、その方がいいのだとリィは思っていた。

 両親は何のために転移魔法陣を発動してまで、シャルロッテをここへ送ってきたのか。それを許可した両陛下は、何を思っていたのだろうか。

 公家のことを伝えるためだけではない。

 きっと、彼らの大切な娘の、その想いを大切にしてあげたかったのだ。その結果がどうであれ、シャルロッテにはきちんと納得して欲しかったのだ。

「野菊ちゃんなら、きっと良い方に導いてくれるから……。今は、見守ってね」

「……分かった」

 リィがそう言うなら、と、シンは素直に頷いた。

「その前に」

 リィはじっとシンの顔を覗き込んだ。

「シンは、もっと人の心の機微を勉強しないと、だめだと思うの……。勇者を目指している人が、女の子を泣かせてはだめ……」

「う、うん、俺も、そう思う……」

「大体シンはいつも気遣いが足りない。そしてデリカシーもない……」


 それからお兄ちゃんは、妹から延々とお説教を食らうことになる。