麗しき星の花

「わたくしは、決して認めたり致しません!」

 溢れそうな涙を見せないようにバッと身を翻し、早足に教室を出て行く。その背を見送って、シンは頭を掻いた。

「……なんで解ってくれないかな」

 困ったように呟くシンに、リィは呆れたように溜息。

「それは、ロッティが……」

「シンくん、鈍感!」

 リィの声に被せるように、野菊が声を張り上げた。

「そりゃ認めたくないよ、だってあの子、シンくんのこと好きなんでしょ?」

「……は?」

「だって泣いてたもん!」

 野菊はそう言って、シャルロッテの背中を追いかけた。

 それを呆然と見送ったシンは。

「……は?」

 リィに助けを求めるような視線を送った。頼む、説明してくれ、と目が訴えている。

「……野菊ちゃんの言う通り。ロッティは、シンのことが好きだったの。皇家とか、関係なく」

「……は、え、え?」

 俺を? とシンは自分を指差す。リィはこくりと頷く。

 いやまさか、とシンは首を振った。彼女に出会ってから今までのことをざっと思い出してみても、喧嘩した覚えしかない。

 シャルロッテの兄、ルドルフとは仲良しだ。それは彼が穏やかな人で、シンやリィにとても優しくしてくれたからだ。でもシャルロッテとは顔を合わせれば文句を言い合い、たまに殴り合いの喧嘩にまで発展することもあった。だからシンは他の人たちと話すときよりも、シャルロッテと話すときは少しぶっきらぼうだった。優しくなかった。

 一体どこに惚れたというのだ。

 シンは混乱する。

「今日、ずっとロッティはシンにアピールしてたよ」