麗しき星の花

「野菊は真っ直ぐだから。言葉にも目にも嘘がない。いつも真っ直ぐで、素直だ。そういう人って貴重でさ。変に気を張らなくていいし、凄く、信頼出来ると思うんだ。それに……俺のこと、良く見ててくれるしさ」

 そう言いながら野菊を振り返り、彼女の視線に気づいて、気まずそうに笑顔を引っ込めてしまうシン。その顔は少し怒っているようも見える。けれどもそこに秘められた想いは、シャルロッテには良く分かるものだった。

 好きな人の前だと、恥ずかしい。その顔を見れるのが嬉しいのに。言葉を交わすのが嬉しいのに。恥ずかしいから、素直になれない。笑顔でいたいのに、つい、憎まれ口を叩いてしまう。

 それは、少し前の彼女と同じだった。

「そんな野菊の純粋なとこ、す……好き、だし。守りたいって思う。だから、俺は野菊がいいんだよ」

 顔も口調もぶっきらぼう。でも、深海色の目が優しい色を帯びていて。そこに隠された想いの温かさに、シャルロッテは拳を握り締めた。

「……そんな風に、色んなものを無視して、決めていいことではありませんのよ。貴方はそんな立場ではありませんのよ」

「んー、そうなのかもしんねぇけど……。でも、なんとかするよ。駄目だっていう人、みんな説得する。ちゃんと納得してもらう。お前もしばらくこっちにいるんだろ? その間にちゃんと分かってもらえるようにするからさ」

 しっかりとシャルロッテの目を見てそう言うシンに、シャルロッテの顔が歪む。

「……どうして、貴方は」

 そんな風に。

 そう言いかけて、そして色のいい唇を噛み締めた。目の端に滲んだ涙が、零れ落ちそうになる。