学校に着いてからも、2人の攻防は続いた。
授業中はシンの隣に椅子を用意してもらい、微笑みながら彼を見守るシャルロッテ。そんな彼女に対抗するべく、シンの机に自分の机をくっつけ、甲斐甲斐しく授業内容を説明する野菊。
「そんなにくっついていたのでは、シンのお勉強が進みませんわ」
そうシャルロッテが注意すれば、
「保護者の方は後ろで見学したらいいと思います!」
さっと手を挙げて、野菊が抗議した。
「後ろにいたのでは、どんなお勉強をしているのか詳しく知ることが出来ませんもの」
「それならリィちんの隣にいたらいいでしょ!」
「貴女がご自分の席に戻られるのならばそうします」
「私の席はシンくんの隣って決まってるの!」
「登校してきたときには確か別のお席でしたわよね?」
「目の錯覚! 気のせい!」
「このわたくしの記憶が間違っているとおっしゃるのかしら」
「人間誰でも間違いはあるものだよ。皇女様だって同じだと思うんだ」
野菊の発言に、シャルロッテから笑みが消えた。
ユラリ、とどす黒いオーラが漂い始める。
「おいお前ら、授業中にうるさいぞ。先生の話聞こえねぇよ」
不穏な空気を感じたのか、シンが両脇にいる少女たちを嗜める。おばかな癖に言うことだけはまともだ。
「だってシンくん、この人が!」
「この方がおかしなことを言いますの!」
ガタン、と立ち上がって言い合いを始めようとする2人。教壇に立つ教師が困った顔で注意しようとすると。
「……ロッティ……」
前の席に座っていたリィがゆっくりと振り向き、シャルロッテに静かな瞳を向けた。
ひゅっ、とシャルロッテが息を呑む。


