麗しき星の花

 そんな剣であるから、まだまだ成長途中のシンの細腕では、制御しきれないのは当然だった。

 それでも筋はいい。

 回転することで身体にかかる負担を最小限にし、重みのある一撃を繰り出す。フェイレイはそれを後退しながら軽くいなした。

 それを更に追走するふたつの剣。

 肌を掠めていく切っ先から溢れる気で、頬の皮が痺れるように痛む。ただ振り回しているだけではないようだ。しっかり狙ってきている。

 物心つく前から遊びの中に組み込んできた剣技の教えが生かされている。それが嬉しいフェイレイは、戦闘中だというのに満面の笑みだ。

「あともう少ししたら、まともにやり合えるかな」

 それを夢見ながら、剣を振り上げたシンの懐に潜り込む。

「うっ……」

「がら空きだぞ」

 腹に掌底が叩き込まれる。シンの細い身体が吹き飛んだ。

 更にそれを追おうとするフェイレイの足元に、銃弾が着弾した。芝生が土ごと捲り上がる。

「強力弾か」

 チラリと見上げると、3階のバルコニーの手摺に立ったリィが、両手で魔銃クローリスを構えていた。先程まで使っていた通常弾ではなく、より威力の大きい強力弾に変えてきた。

 あまりにも反動が大きいので連射は出来ないが、リィの目的はフェイレイに当てることではない。

 撃ち込まれる強力弾は土を抉り、吹き飛ばし、フェイレイの頭上に雨のように降らせた。それはまるで煙幕のようにシンの姿を隠す。