麗しき星の花

 次に向かったのは、近いので天神学園。そこの用務員室を訪ねた。

「あれ、シンくん、どうしたんですか?」

 出迎えてくれたのは、白い着物を着た雪女の雪菜。

 雪菜は「狭いところですが、どうぞ」と、部屋にある炬燵にあたるように奨めてくれた。

 ちなみに、シンたちの部屋にも炬燵を出してもらった。炬燵、いいよ、炬燵。足元がぬくぬくして気持ちよくて、つい出不精になってしまう魔のアイテムだが、ここで蜜柑を食べるのが古き良き日本だと教えられたので、冬になったら兄妹三人で『炬燵で蜜柑』をする予定だ。

 シンは炬燵に足を入れて、あれ、と首を傾げた。

 なんか、寒いんですけど。

 ちらりと中を覗いたら、氷の塊を入れた桶が炬燵の中に置かれていた。

「……雪菜さん、小岩井さんが帰ってきたら、暖めてあげてくださいね」

「えっ、も、もちろんです、防人さんは私のように寒いのが得意ではありませんから。……分かっています、分かっていますよ!」

 それならいいんですが、とシンは本題に入る。

「あの、雪菜さんは小岩井さんとデートとか、しますか?」

「えっ、デート、ですかっ?」

 お茶を出しながら、雪菜は白い肌を真っ赤に染める。

「そ、そうですね、そのような立派なものではありませんが、よく二人で校庭を散策しますよ」

「え、校庭を?」

「はい。今は紅葉が見れますし、それに、私は防人さんとゆっくりした時間を過ごすのが好きなので……」

 着物の袖で口元を隠しながら、雪菜は笑う。

 ほのぼのとした光景ではあるが、校庭でデートか……。

 シンは雪菜に礼を言うと、用務員室を出て行った。