麗しき星の花

 次に聞きに行ったのは拓斗だ。

 しかし彼は道場で生徒の子どもたちに指導をしていたので、天神寮にいる彼の奥様、ペインを訪ねた。

「ペインさんは拓斗さんとどこに行きますか!」

「えっ? そうですねぇ……」

 ペインは寮の玄関前を掃き掃除しながら答えてくれた。

「私も拓斗さんもあまりお休みが取れませんから、おうちでゆっくりしていることが多いですね。おうちデート、っていうんでしょうか」

「おうちデート? ……それもデートなんですか?」

「拓斗さんは毎日修行や生徒さんへの指導で疲れていますから、おうちでのんびりがいいんだそうです。私の手料理を食べて、私とおしゃべりして、私にヴァイオリン演奏を聴いてもらうのが一番落ち着くって言っていて……」

「はあ……」

「あ、でもシンくんはお外にどこに行くのがいいかって聞きたいんですよね? ええと……そうそう、この間新婚旅行で連れて行っていただいたオーストラリアは楽しかったですよ。ケアンズの別荘も広くて素敵でしたし、グレートバリアリーフでスキューバダイビングも堪能しましたし、グリーン島ではパラセイリングで空飛んじゃいましたし、シドニーでは観劇も楽しめましたし、雄大なブルーマウンテンを見ながらサンドイッチ食べたりして……あ、カンガルーも見たんですよぉ。なんだか襲ってきそうでちょっと怖かったんですけど、遠くから見るとかわいいんです。でも、現地ではカンガルーのお肉を食べるんですねぇ……かわいいカンガルーを見た後だったので食べられませんでした……。本当はエアーズロックも見てみたかったんですけど、さすがに遠くて回りきれなくて、また今度来たときに一緒に行きましょう、なんて約束をしてですね……」

 頬を染めて箒をぐるぐる回しながら話すペイン。

 新婚旅行、楽しかったんですね、と言い残してシンは去った。新婚さん全開過ぎて参考にならない。