麗しき星の花

「くっそー、奇襲失敗だっ」

 剣を構え、地面に降り立ったフェイレイを見据える。

 シンと同じ赤い髪の、どこか幼さを残した青年は、悪戯っ子のように深海色の瞳を輝かせていた。

「まだまだ甘いなー。降参するか?」

 可変式の剣を肩に背負うようにして、フェイレイはニイッと笑う。

「誰が!」

 ギンっと目を釣り上げるシンは、フェイレイと同じ型の可変式の剣、アストレイアの切っ先を父に向けた。

「こうなったら真っ向勝負だ! 父さん、覚悟っ!」

 柄と鍔の間にある引き金のような部分に、人差し指と中指を引っ掛ける。そこを強く押し込むと、アストレイアが刃の先から左右に展開し始めた。同時に飛び出してきたもう一つの柄を握り、一気に引き抜くと二刀へ変形する。

「おりゃあああっ」

 回転しながら斬りかかるシンを、フェイレイは微笑しながら迎え入れる。

「まだまだ剣に振り回されてるカンジだな」

 それは仕方ないことだとも言える。

 フェイレイと同じ型ということは、大人の扱うものと同等の重量と長さがあるのだ。しかもこれは、旧ギルド時代の魔族討伐専用武器で、ヴァトライカという鉱石を主に使った、この星最高の切れ味と強度を誇る武器だ。ただ、強度を重視したあまり相当な重量があり、可変式ということもあって扱いづらい。

 フェイレイのような力量があればドラゴンの首さえ落とせる名工だが、多少剣の心得があるくらいではただのナマクラになってしまう。ギルドでも実際に使っていた剣士はほんのひと握りだった。