麗しき星の花

「神楽さんもお医者さんなんですか?」

「あ? 俺は宮司だよ」

「ぐうじ?」

「あー、神主。神に仕える者のことだ」

 シンはまじまじと神楽を見上げた。

 金髪、目つき悪い、態度デカイ、素行悪そうなこの人が、神職に就く人だというのか。ミルトゥワで言えば皇族に仕える神官の地位。それは崇高にして神聖な職業である。この目つきの悪い人も神官と同じ。嘘だー……。

「……オマエ、思ってることがそのまんま顔に出るタイプだな」

「うえっ、いや、あの、すみません!」

「人を見かけで判断すんじゃねぇ。そう親に教えられなかったのか」

「いや、はい、すみません……」

「もういいだろう」

 縮こまっているシンの前に聖が立ち塞がり、神楽との会話を遮る。

「俺はシンくんの剣を見るんだ。時間が惜しい、神楽も家に入ってろ」

「何、コイツ剣士なの? へえー、面白そう、見学させろよ」

「邪魔だ」

「いいじゃねぇか、別に。俺も剣道やってたんだぞ。何かアドバイスしてやれるかもよ?」

 聖はしばらく胡乱な目つきで神楽を見ていたが、諦めたのか「邪魔するなよ」と言いつけてシンとの稽古に入った。




 結界の広がる櫻井家の庭は、聖とシン、そして神楽だけを取り込んで、景色だけ同じなだけの完全な別空間となる。

 いつ見ても不思議な力だ、と、紫色になりだした空を見上げながらシンは思う。

「それじゃ、始めようか」

「はい!」

 シンは腰の後ろからアストレイアを抜いて、片手で構える。

「へえ、デッカイ剣だな。変形すんのか、面白ぇー」

 ヤンキー座りをして見守る神楽から、そんな声がかかる。それを無言で睨みつけた聖は、右手を自身の目の高さまで掲げ、そして何かを掴み取るように手を握った。