「く、くそ、予想外の打撃だった……」
ぼたぼた鼻血を流しながら、シンはまたも悔しがる。
診察中が駄目なら、いつなら油断しているだろう。そう思って機会を待っていたシンは、診察を終えて廊下で琴音と談笑する聖を発見。
(今なら!)
「……シン、さっきから、なにしてるの……」
通りかかったリィがジト目でシンを見る。
「止めるなリィ。今日こそ俺は、櫻井先生から一本取る!」
シンの足元に浮かび上がる、碧色の召喚魔法陣。
「行くぞ、ウィスプ!」
《ええええええー!》
ふわ、と浮き上がる赤い髪が、一瞬にして金色に染まる。その姿が現す通り、身に憑依させたのは光の精霊ウィスプ。
《ばか、止めなさい! 止めなさいってば!》
「いいから行くぞっ!」
ウィスプの制止も聞かずにシンは床を蹴る。召喚してから床を蹴るまでの時間は、瞬きするよりも速い。リィが止めようと手を伸ばしたときには、すでに聖の背後だ。
「先生、覚悟おおおおっ!」
目にも留まらぬ、まさに光の速さで聖の背に迫ったシンは。いつの間にか視界に高い天井を映していた。
あれ、どこ?
急に変わった視点に、頭が追いつかなかった。気づいたときにはもう、受身も取れずに頭から床に叩きつけられていた。
何が起きた。
痛みよりも疑問がシンを支配する。
次にきたのは恐怖だ。
高いところから下りてくる冷気に、体が重く押さえつけられている──そんな錯覚を起こした。
ぼたぼた鼻血を流しながら、シンはまたも悔しがる。
診察中が駄目なら、いつなら油断しているだろう。そう思って機会を待っていたシンは、診察を終えて廊下で琴音と談笑する聖を発見。
(今なら!)
「……シン、さっきから、なにしてるの……」
通りかかったリィがジト目でシンを見る。
「止めるなリィ。今日こそ俺は、櫻井先生から一本取る!」
シンの足元に浮かび上がる、碧色の召喚魔法陣。
「行くぞ、ウィスプ!」
《ええええええー!》
ふわ、と浮き上がる赤い髪が、一瞬にして金色に染まる。その姿が現す通り、身に憑依させたのは光の精霊ウィスプ。
《ばか、止めなさい! 止めなさいってば!》
「いいから行くぞっ!」
ウィスプの制止も聞かずにシンは床を蹴る。召喚してから床を蹴るまでの時間は、瞬きするよりも速い。リィが止めようと手を伸ばしたときには、すでに聖の背後だ。
「先生、覚悟おおおおっ!」
目にも留まらぬ、まさに光の速さで聖の背に迫ったシンは。いつの間にか視界に高い天井を映していた。
あれ、どこ?
急に変わった視点に、頭が追いつかなかった。気づいたときにはもう、受身も取れずに頭から床に叩きつけられていた。
何が起きた。
痛みよりも疑問がシンを支配する。
次にきたのは恐怖だ。
高いところから下りてくる冷気に、体が重く押さえつけられている──そんな錯覚を起こした。


