麗しき星の花

 リィは更にクローリスを引き抜いて、実弾をすべてリリースし、新たにサラマンダーを装填。

「お願い……!」

 最大の攻撃力を持つ炎弾を連射。マグマのような高熱を放つ炎が大男に襲い掛かる。

「ぐおおおお、熱っちィなああっ!」

 言いながら、どこまでも追いかけてくる炎弾を、不良たちを盾にして回避する大男。リィは撃つのを止める。

「ひどい……」

「お嬢ちゃん、あんたの力だろぉ?」

 真っ黒な炭と化した不良を投げ捨て、大男はニヤリと笑う。

「だが……俺は魔法には明るくねぇが、その力を行使するには魔力ってぇのが必要なんだろ? 見たところ、お嬢ちゃんは大量に魔力を使っているようだが……その力は無限のものなのかねぇ?」

「……」

 リィは無言で大男を睨む。

 魔法弾を撃つだけならば、それほど魔力は必要ない。けれども、それとは別にシェイドの力で不良たちを押さえつけ、更に琴音を護り、移動させている。広範囲に渡っているため、そちらはかなり魔力を消耗させられていた。現在進行形で魔力は消費されている。あまり長引けば魔法弾は撃てなくなる。

 琴音を追いかけているのはリィの魔力切れを狙っているからか。意外と頭の切れる人物だ。

 ヴィオラとクローリスを同時に構えると、大男は動けなくなっている不良の影に隠れた。

「ひ、ひい、止めてくださいよボスぅ」

「泣くな泣くな、死にたくないならあのお嬢ちゃんにお願いしてみ。お優しいお嬢ちゃんなら言うこと聞いてくれるかもしれねぇぜ? なぁ?」

 仲間であるはずの不良たちを盾にし、なおかつ助けてくれと哀願する者に対しての嘲笑に、リィは魔銃のグリップを強く握り締めた。

「そう、あなたは……」

 あまりにも非道な大男に、彼女の中で静かに怒りが爆発していた。

「喧嘩が、したいんだね」

 リィの静かな声が、不気味に響く。

 しかし大男は小馬鹿にしたように笑っただけだった。