麗しき星の花

「お嬢ちゃん、魔術師か」

 大男が舌打ちした。

「精霊使いだよ……」

 リィはいつものぼんやりした目で訂正した。そうして琴音に手を伸ばす。

「琴音、玲音たちのところに行こう」

「は……はい!」

 琴音は頷いて、リィの元へ駆け寄ろうとする。

「成程、精霊使いねぇ。面白い特技を持ってんな、お嬢ちゃんは。……けどよぉ」

 動けなくなったはずの大男の腕が、僅かに揺れる。リィはそれに気づき、琴音を手で制した。

「俺にはそんなの、利かねぇ、なああああっ!」

 縄を引き千切るかのように、シェイドの呪縛を解き放つ大男。

「気合でなんとかなるモンなのよ、こういうのは」

「……あなた、相当修行した武道家だね」

「武道家なんて小奇麗なモンじゃねぇや。喧嘩屋ってんだよ」

「……力の使い方を、間違えてる……」

「自分の力をどう使おうが、俺の勝手だな」

「……そう」

 大男は腰を落とし、構えた。

 リィも左手でヴィオラを引き抜き、即座に発砲。風の力を込めた弾は、渦を巻きながら大男に襲い掛かった。

「おおっとぅ」

 弾速のある風弾を、なんと大男は回避した。ガンマンとも喧嘩したことがあるのか、射線を見切っていた。そしてそのまま後方にいる琴音に襲い掛かる。

「っ!」

 リィはシェイドの闇で琴音を包み込んで操り、大男の鉄拳から遠ざける。そうしながら風弾を連射。大男はそれをかわしながら、闇に包まれながら移動し続ける琴音を追いかける。途中、邪魔な不良仲間たちを薙ぎ倒し、踏み潰して進む大男にリィは眉を潜めた。