5月△日



 父ちゃん、母ちゃん、おれ、兄ちゃんに怒られますた。

 ほして(そして)、兄ちゃんは姉ちゃんに怒られますた。

 なじょして(どうして)なのが分がんねので、おがてみを書きますた。



 おれは姉ちゃんと風呂に入りますた。姉ちゃんが頭と体を洗ってくれますた。そのあど、お花の浮いでる風呂にあひるをいっぺー(いっぱい)浮がべで遊びますた。

 姉ちゃんは色々やるごどがあるみでーなので、おれは姉ちゃんより先に風呂がら上がりますた。

 おれ、ひとんじ(一人で)体拭げるようになったんだぞい。偉いって褒めでけらんしょー(褒めてください)。

 着替えでだら、なんだが見だごどのねぇ服、見っけだんだ。白い三角みたいな形がふたっつくっついで、リボンついでるやづ。

 頭さ(頭に)かぶったら、にゃんこの耳みだいになったっけよー。

 めんこぐ(かわいく)なったがら兄ちゃんに見せに行ったっけ、兄ちゃん、飲んでだ牛乳、吹き出したんだー。

「シルヴィ、それを今すぐ姉ちゃんに返してこい!」

 って言わっちゃんだげんちょ(言われたんだけど)、おれ、せっかくめんこぐなったのにど思って、逃げだんだ。

 鬼ごっこみでぇになって楽しぐて、笑いながら逃げでだっけ、兄ちゃんににゃんこの耳取られっちまっただ。

 ほしたら、そごに姉ちゃんが来て、にゃんこの耳掴んでる兄ちゃん見っけだんだっけよ。

 兄ちゃんと姉ちゃん、一緒にしばらぐ固まっでだっけな。


「……シン。そういうものに興味が出てくる年頃なのは、私、理解してるつもりだよ。でも……妹のものに手を出すのって、どうなの……? お願いだから、変態街道へ進むのは、待って」

「違うっ! これはシルヴィが!」

「兄ちゃんに無理やり取らっちゃんだー」

「……シン、お願いだから、」

「なんでそんな憐れむような目で見てんだよー! いっそ殴られた方がマシだああー!」

「……じゃあ、遠慮なく」

(後ろ回し蹴り・踵で鼻をへし折っちゃうぞ♪ の蹴り)

「ほげらっ!」

「……しかも、これ、使用済み……! シン……!」

「だから違うっつーのー!」


 ……って感じに、なんだか2人で喧嘩始まったんだっけよ。

 なじょして姉ちゃんは怒ったんだべー。教えでけらんしょー。



 しるびー