「ああ、そうですね、フェイレイさんのご子息ですからね。方向音痴も仕方のないことでしょうが。それにしても、ここは皇族以外は立ち入ることの許されない神域です。民間人を招き入れるなど、皇太子殿下とて許されぬことですよ」
「神殿の手前までなら問題ないだろう。それに、シンとリィはリディアーナ様と世界の救い主である勇者殿のお子だ。皇族と変わらぬ扱いでも良いだろう。民もそう望んでいるからこそ、勇者殿が西の離宮の城主となっているのだぞ。それに何れはシンも皇族として……」
「現状は民間人なのですよ、殿下。それを招き入れて、神殿の方々にでも見つかったらどうするおつもりですか。皇族を神聖視してやまない石頭頑固融通の利かないジジイどもを説得出来るというのですか」
「もしそのような事態になったなら、ヴァンや信頼する者たちと共に乗り切ることが出来るだろう。私は良い部下に恵まれているはずだからな」
にこにこにこ、と。
隙のない笑顔合戦に、シンは逃げたくなってきた。2人とも柔らかな笑顔の持ち主なのに、見ていると何故か背筋が寒くなってくるのだ。
青い顔で見守るシンになど目もくれず、更ににこにこ微笑みあっていた2人は、ヴァンガードの漏らした溜息でその戦いを終えた。
「……殿下。秘密を持ちたいお年頃なのは解りますが、せめて私くらいはお連れください。どんな輩が潜んでいるのか分からないのですから」
輝かんばかりの笑顔を潜め、真剣な顔でそう言うヴァンガードに、ルドルフも笑みを消し、神妙になる。
「すまないヴァン。だが、お前は勇者殿と親しいだろう? 秘密が漏れるとまずいと思ったのでな……」
ルドルフはチラリとシンを見る。
「神殿の手前までなら問題ないだろう。それに、シンとリィはリディアーナ様と世界の救い主である勇者殿のお子だ。皇族と変わらぬ扱いでも良いだろう。民もそう望んでいるからこそ、勇者殿が西の離宮の城主となっているのだぞ。それに何れはシンも皇族として……」
「現状は民間人なのですよ、殿下。それを招き入れて、神殿の方々にでも見つかったらどうするおつもりですか。皇族を神聖視してやまない石頭頑固融通の利かないジジイどもを説得出来るというのですか」
「もしそのような事態になったなら、ヴァンや信頼する者たちと共に乗り切ることが出来るだろう。私は良い部下に恵まれているはずだからな」
にこにこにこ、と。
隙のない笑顔合戦に、シンは逃げたくなってきた。2人とも柔らかな笑顔の持ち主なのに、見ていると何故か背筋が寒くなってくるのだ。
青い顔で見守るシンになど目もくれず、更ににこにこ微笑みあっていた2人は、ヴァンガードの漏らした溜息でその戦いを終えた。
「……殿下。秘密を持ちたいお年頃なのは解りますが、せめて私くらいはお連れください。どんな輩が潜んでいるのか分からないのですから」
輝かんばかりの笑顔を潜め、真剣な顔でそう言うヴァンガードに、ルドルフも笑みを消し、神妙になる。
「すまないヴァン。だが、お前は勇者殿と親しいだろう? 秘密が漏れるとまずいと思ったのでな……」
ルドルフはチラリとシンを見る。


