手紙にはきちんと注意書きがあった。

『シルヴィは食いしん坊だから、あなたたち一人だけじゃ倒れてしまうかもしれません。必ず夜に、“2人で”食べさせてください。それでも足りないときは、自然の中にある魔力を食べさせても構いません……』


 青くなる双子。

 このかわいい妹は、2人の魔力を一日で喰らい尽くす健啖家だった。

「はわっ、姉ちゃん、おれ、食い過ぎだが? ご、ごめん、あんまり旨ぇもんだから、つい……次は気をつけっからない。ごめんなんしょー、ごめんなんしょー」

 倒れたリィにしがみついて、シルヴィはオロオロしている。

 リィはその後、丸2日目を覚まさなかった。

 
 やばい。急いで魔力増やさないと死ぬかも。


 ……そんな不安が駆け巡った。
 



 かくして、双子は妹のために更なる魔力増幅のための修行(無手での組手はそのための修行でもある。内と外にある魔力を練りながら動く)に励むのだった。

 双子がひとりで精霊の女王を召喚出来る日も、近い……かも、しれない。