麗しき星の花

「え、やだよ、試さないからな? 殴られるのは嫌だ」

「そこで妹にキスなんか出来るか、って言わないところがリィシンさんですよねー」

「……ああ、こっちでは家族にはしないんだっけ」

「日本ではしませんねー。まあ、家庭にもよるでしょうけど。少数ですね」

「玲音は琴音にしないのか?」

「ほっぺとか手の甲になら、場合によっては。でも積極的にはしませんねー。やはりここは日本ですから」

「ふうん、そうか。じゃあ俺たちも控えた方がいいのかなー」

「でも、お二人はご両親や故郷から離れて寂しい思いをされているでしょう? そういう環境で習慣化されていることを急にやめてしまうと、ストレスを感じてしまうかもしれません。無理にやめることはないんじゃないですか?」

「そうかー。じゃあ今まで通りでいいや」

 そう言ったところで、シンは改めてふわふわ茶髪の小さな少年を見た。……この少年、本当に四つも年下なのだろうか。

 確かに素直でかわいいのだが、言うことが大人びているし、先程みたいに『本性』らしきものを見せてきたりするし。謎な8歳だ。

 その玲音は改めて、子どもらしい愛らしい笑みを浮かべた。

「じゃあ、そういうことで、僕の疑問を解決してください、リィシンさん」

「何だっけ?」

「リィファさんにキスをしてみたらどうなるか。この場合、もちろん唇に、ですよね」

「やだよ。人前でするもんじゃないって父さんも言ってたし」

「……人前じゃなければいいんですか?」

「んー、必要があれば?」

 ほう~、と頬を染めて目を輝かせる玲音に、シンは付け加える。