麗しき星の花

「リィシンさんたちは危険な星を旅してきたかもしれませんが、ここには、こういう危険も……」

 玲音はシンの隣に座り込み、ちらっと彼の顔を伺ってから、普段分厚く被っている『仮面』を脱ぎ捨ててみた。

 ふわふわとした柔らかな雰囲気の微笑みから、鋭く狡猾な笑みへ。雰囲気の変わった玲音に軽く目を見開いたシンを尻目に、悪意を持った顔をリィの顔へと近づけていく。

 すると。

 つん、と額に人差し指が突き刺さった。

 それでぴん、と弾かれる。

 いつの間にかリィが目を覚ましていた。うっすらと開いた翡翠色の瞳は玲音をぼんやりと見ている。

 しばらくして、相手が危険でないと判断したのか、リィはまた眠ってしまった。玲音はツンツンされた額を両手で押さえ、目をぱちくりさせた。

「だから言っただろー。危険があれば起きるって」

 シンはニシシと笑っている。

「……“そっち”方面の危険にも対処出来るなら、安心しました」

「だから、俺たちは色んな危険な星を旅してきたんだって。無意識に相手の悪意に反応して、それに見合う反撃くらいは出来る」

「つまり、今のはおでこツンツンくらいの危険しかなかったってことですか?」

「ま、そういうことだな。お前の悪意なんて、その程度のものだよ。てか、本当に危険なら、リィが反撃する前に俺が斬り捨てるし」

 笑うシンに、玲音はむう、と頬を膨らませた。そんな風に呑気に笑われることが面白くなかった。

「それなら、リィシンさんが同じことをしたら、どうなんでしょうね?」

「えー? 殴られるんじゃないのか?」

「でもリィファさんにとってリィシンさんは危険じゃないんですよね? じゃあ、どうなのかなぁ」