麗しき星の花

 アルバムの最後には、天神学園みんなの集合写真が貼られていた。そこに写っている全員が、ここからそれぞれの道に進んでいった。

 和音はかねてからの希望通りパリに留学し、世界に認められるヴァイオリニストとなった。

 拓斗は天神大学卒業後、龍娘流中国拳法の師範代として、主に子どもたちを教える道場を開いた。

 花音は芸術大学へ入学し、卒業後は国内で活躍するヴァイオリニストとなった。いつも持ち歩いている五所川原がグッズとなって人気を博したのを期に、副業としてファンシーな雑貨屋を営むようにもなった。

 鷹雅は近辺の妖怪たちを束ねて人間との共存を目指し、雪菜はもちろん、今も天神学園で用務員のお手伝いをしている。

 踏み出した道の始まりはここ。天神学園だ。

 通ったのはたった半年だったけれど、両親にとってはかけがえのないものだったに違いない。それはこの写真に写る両親の生き生きとした表情を見れば分かる。

 シンとリィは胸一杯になりながらそれを閉じようとして──。次のページに新しい写真が貼られていることに気付いた。

「あ……」

「あれ、俺たちだ……」

 この世界に来て初めて参加した行事、クリスマステロ。そこで楽しそうにしている自分たちが写っていた。初めてのお正月も、中等部入学式も。こんな写真、いつの間に撮ったのだろう。

 顔を上げると、執事たちも琴音も玲音も、にこにこと微笑んでいた。

「そのアルバムの続きは、リィシンくんとリィファちゃんで綴っていくのよ」

「良い写真が撮れましたら、ご両親へのお手紙に添えられると良いでしょう。どんなときでもベストショットを狙いますのでお任せ下さい」

 と、南原と東条。

「僕ともいっぱい思い出作りましょうね?」

「私ともですよ? 一緒に学園生活、楽しみましょうね」

 玲音、そして琴音もかわいらしく微笑んだ。それに対し、シンとリィは声を揃えて頷いた。

「うん!」





 その日の夜、見事風邪がうつったシンが熱を出した。リィがはりきって看病したのだけれども、シンは一晩寝たらすっかり元気になってしまった。

 それがなんだか悔しいリィだった。