麗しき星の花

「私どもも名残惜しかったのですが……フェイレイ様とリディル様は、拓斗様が出場されたタイマントーナメントを見守られてすぐ、旅立たれました」

「ふうん……?」

 何故急に帰る方法が分かったのか、シンには分からなかった。しかしリィは気づいてしまった。

「タイマントーナメントって、秋……?」

「ええ、そうよ。10月だったかしら?」

「新婚旅行、って……?」

「その直前だったわよ?」

「ふうん、そう……」

 リィは何やら指をひとつずつ折り込んで、数を数えている。

「なんだ?」

 シンが首を傾げる。

「……ううん」

 リィは両手の指を全部折り込んだところで、ちょっと赤くなって俯いた。……分かってしまったのだ。自分たちが『地球ベイビー?』であることが。

 リィは勤勉なので、以前ミルトゥワで精霊の女王たちに言われた『契り』という意味をきちんと調べていた。両親が帰る方法を見つけたということと、女王たちの話していたことを繋ぎ合わせると……うん、まあ、そんな感じになるのだった。

 娘にとっては気まずい真実である。

 ちなみに双子の誕生日は西暦で8月4日だ。ミルトゥワの星暦にすると約五ヶ月の違いがあったりするけど、ややこしいから8月4日で統一する。地球ベイビーだし。

 しかし、そう考えるとなかなか感慨深い。

 自分たちはこの星にやってきたのではない。

 “帰ってきた”のだ。