麗しき星の花

 それからハロウィンの写真もあった。

 フェイレイとリディルは仮装というか、ミルトゥワから地球に来たときと同じ姿をしていた。フェイレイは紺のマントを羽織り、リディルは黒いロングドレス姿だ。

 その父が、マントを翻しながら地底から蘇ったゾンビに飛び蹴りを食らわせていた。

「『トリック・オア・トリート!』と言いながら、ゾンビからお菓子を強奪しているところね」

「ハロウィンって、そういう行事……?」

 違います。

 それもちょっとした認識の違いがあったようだ。着ている衣装が魔王と戦ったときのものだったので、新世界の神と名乗る魔族と交戦してみたくなったのかもしれない。

 同じように、互いの菓子を奪おうとしているのか、はたまた『いたずら』の方のやり取りなのか。何故か両親が真剣に戦い合う姿も写されていた。


 温泉旅館では浴衣でくつろぐ姿が撮られていた。

「温泉?」

「湯治湯、といった方が分かりやすいでしょうか? 疲れや傷によく効く、広いお風呂のことです。お肌がツルツルになりますよ。行くなら秋から冬にかけてが良いかもしれませんね。紅葉に色づく山並みを眺めたり、雪景色を眺めながら露天風呂に浸かるのも乙なものです」

「ふうん、いいなぁ……」

 琴音の説明に、リィは美しい自然の景色を思い浮かべた。

「今度天神温泉に行きましょう。温泉も気持ちいいけれど、食事もおいしいんですよぉ」

「うまいご飯! それはいいな!」

 玲音の食の誘いには、シンが乗り気だ。