そこへ騒ぎを聞きつけた琴音たちが駆けつけてくる。

「きゃああ、どうしたんですかリィファさん!」

 悲鳴を上げる琴音。

「いやー、ちょっと北山が怖がらせてしまってねぇ」

 説明する奏一郎。

「えええ、何やってるんだよ北山! クビにしちゃうぞ!」

 かわいい小さな手でぽかぽかと北山を叩く玲音。

「すみません、玲音様……お二人には後ほど、改めて謝罪をいたします……。それにしてもいけませんな。もう遅い時間です。生姜臭ぇ小学生の琴音様と玲音様は、すぐにお休みくださいませ……」

「そうだね、二人ともお休み。リィシンくん、リィファちゃんが目覚めたら教えてくれるかい。僕からも謝罪をしたいからね」

「は、はい、分かりました……」

 シンはなんとか頷いた。

 なんか突っ込まなければならないところがあったような気がするのだが。

 よく分からないのでそのまま自分たちの部屋へと戻っていった……。




 

 後日、改めて橘家の執事たちの紹介が行われた。

 奏一郎、律花夫妻専属執事の、色んな意味で寒い北山。

 和音、水琴夫妻専属執事の、フランケンシュタイン似の強面、西坂。

 琴音専属執事の、美形ナルシスト南原。

 玲音専属執事の、ワイルド系の外見なのにちょいMな東条。


 実に個性的な面々である。