「先生、それは愛だと思います。」完


「……文ちゃん、この関係も、今日限りで終わりにしよう」
「え……?」
「終わりにしよう、文ちゃん」

一瞬、頭の中が真っ白になって、眩暈がした。先生の口から出た言葉が信じられなくて、まったく頭の中に入ってこなかった。
「な、なんで、ですか……」
頭に置いてあった先生の手を払って、私は先生の瞳を見つめた。
先生の表情は、まったく崩れていなくて、なにを言っても気持ちは変わらない、という雰囲気を醸し出していた。
「理由を教えてください……」
なんで? どうして?
やっと先生と堂々と付き合えるようになったと思ったのに。
遠距離恋愛にはなるけれど、でも、その方が元クラスメイトにはばれないし、デートだって堂々できる。
これからやっと、恋人らしい恋人になれると思ったのに。

「文ちゃんじゃだめだ。文ちゃんと一緒じゃ、幸せになれない」
ナイフよりも鋭くて冷たい言葉に、ショックで涙も出てこなかった。
ただただ信じられなくて、これが悪夢だと思いたくて、一度だけ自分の手を抓ったが、しっかりと痛みを感じた。

「どうして……ですか……私がまだ、十八歳だからですか」
「もう飽きたんだ。一緒にいても楽しくない」
「そんな……」
「受験が終わるまで待ってたんだ、いつ言おうかずっと悩んでいた」
「本気で言ってるんですか……」
「本気だよ」