「あの・・・」
伺うような小さな声にハッとする。
玄関からこっそりとこちらを覗く女の人がいた。
綺麗な女の人。
髪が長くてサラサラな目のぱっちりした美人な人だ。
「あ、いらっしゃいませ」
「あの、ここに来たら成仏できるって」
「はい。そうですよ」
浅葱が優しい声色で迎える。
私は、契約書を用意し机の上に置いた。
「お名前、覚えていますか?」
「はい・・・。片倉ゆめかです」
「これは、契約書です。あなたを成仏させるにあたって、あなたの人生を一冊の本にさせていただきます」
「はい。お願いします」
すんなりと進んでいく契約。
彼女の心残りって、一体なんなんだろう。


