「んん!?」



苦いのか顔を顰めながら暴れる浅葱を押さえつけ私は片手に湯呑を持つと思い切り中身を口に含む。
そして、浅葱の頬を両側から手で挟むと唇を合わせ、水を流し込む。





「ん―――――っ!?」




口の端からこぼれた水が、浅葱の着物を濡らす。
全ての水を流し込んだ後、私は唇を外した。

浅葱はこくんと喉を鳴らし、水と薬を飲みこんだ。




「・・・っ」



今更になって頬が赤く染まる。
やってしまった。

なんてことをしてしまった。




「ご、ごめん・・・っ。浅葱に薬を飲んでほしくて・・・」




恥ずかしいっ。
顔が、見れない。
あんな大それたことをしてしまったのは私なのに。