「黒瀬さん。今から、あなたの記憶のかけらを取り戻しに行きましょう」
「え・・・?」
「長い間、成仏できず苦しんでいらしたんですね。もう、大丈夫ですよ」
「は、はい・・・っ」
黒瀬さんは、目に涙を浮かべ頷いた。
浅葱は私を見て微笑む。
「奏音さん、ついてきてみますか?」
「え?」
「浅葱!遊びじゃないんですよ!」
「わかってるよ。でも、これから仕事を手伝ってもらうなら知ってもらう事も必要だろう?」
抗議する暁に、浅葱は冷静に受け応える。
浅葱はいつも冷静なんだ。
なんだか、暁が振り回されているように見える。
「あの、どこに行くの?」
「記憶のかけらを探しに行くんだ」
「記憶のかけら?」
なんだ、それは。


