「ですが、初めで本まで至るとは、そこだけは褒めて差し上げます」

「え?」

「なかなかできる事ではありませんので」

「そうなの?」




知らなかった。
きっと、その喜びが顔に出ていたんだろう、暁に思い切り睨まれた。
褒めたくせに。

暁はなかなかにドSだ。



「調子に乗らないでくださいね。たまたま、やりやすかっただけのようなものですからね」

「はぁい・・・」




わかってるわよ。
そんな簡単に成仏させてあげられるなんて思ってない。

それに、それがどれだけ重要なことなのか身を持って知った。




「ただ座っているだけじゃなく、ここのスペースの掃除は、奏音さんにお任せしますからね」

「え!?・・・わ、わかった」




そして、人使いが荒い。
くそー。
年下のくせに。