「茜ちゃん・・・。ママにはあわせてあげられないけど、お姉さんが、茜ちゃんの事ぎゅってしてもいい?」
「お姉ちゃんが?」
「うん。・・・茜ちゃんの事、ぎゅってしたいんだ」
気休めだ。
茜ちゃんが求めているのは、お母さんからの抱擁なのに。
初めて会った、私なんかに抱きしめられたって・・・。
そう。
だからこれは、私がそうしたいからするだけ。
きっと、茜ちゃんのためじゃなくて、自分のため。
「うん。お姉ちゃん、茜をぎゅっとして」
茜ちゃんが私の胸に飛び込んできた。
それを受け止め、強く抱きしめた。
温もりの感じられない身体。
それでも、強く強く、届きますように。
「きっと、茜ちゃんのお母さんも、同じ気持ちだよ。茜ちゃんをもっともっとぎゅってしたかった。茜ちゃんに、ぎゅってしてほしかったと思うよ」
「・・・うん」
「だって、きっとお母さんは、茜ちゃんの事が大好きだから。きっとずっと、愛しているから」


